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科学の限界と向き合い方/『科学と非科学』中屋敷均 著

人は科学的に証明されていることを信用しています。
ただ科学には限界があります。
今回は中屋敷均さんが書かれた『科学と非科学』を参考に「科学の限界と向き合い方」についてまとめたいと思います。
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科学の限界
科学とは今時点で分かっている原理や法則です。
ニュートンの万有引力もアインシュタインの一般相対性理論により修正を余儀なくされました。
科学に完全は無く、今後も更新されていく定めにあるのです。
更に科学は確率や統計的に全ての条件での検証は不可能であるため、ある条件下で検証された結果が公開されることとなります。
そのまま現実に適応できない場面も多くあるのです。

そして残念なことに発表されている全ての論文が正しいとは限りません。

2013年の『ネイチャー誌』では医学生物論文の70%以上で結果を再現できなかったという衝撃的なレポートを出しています。
もちろん全てがそうではなく、論文には「適応度の高い仮説」があり長い時間の中で批判に耐え、後世に残っていくものもあります。
私たちはその確度を意識しながら科学を勉強していくべきでしょう。
他に科学に影響を与えるのが社会です。
研究には費用がかかります。
科学者は好きなことを研究するのではなく社会が求めるものや、称賛されやすいものを選択してしまう人もいるという事実もあります。

<まとめ>
・科学は完全ではなく、更新されていくもの
・確率統計的に全てを検証できないため、ある条件下で検証する
・社会に影響を与えるが、逆に影響を与えられている

科学との向き合い方
科学の出発点は科学ではありません。
出発点は想いです。
空を飛びたいとか、何かを実現したい、確かめたいという想いから科学が生まれます。
その非科学的なものから科学は生まれるのです。
ドイツの滑空王と呼ばれたリリエンタール兄弟は空を飛ぶことに憧れ実験を繰り返しました。
当時は空気より重いものが安定して飛行し続けることは原理的に不可能と呼ばれていましたが、最大で250メートルの飛行に成功し、後にライト兄弟がその意志を引き継ぎライトフライヤー1号の初飛行へと繋がっていきました。
研究には多くの時間や無駄が必要ですが、それがあるからこそ私たちがその恩恵を受け生活できるのです。

社会では効率を求めますが(もちろんそれも大事ですが)余裕や無駄があるからこそインスピレーションが生まれ、試行錯誤の結果、新しい原理法則が発見されるのです。

<まとめ>
・科学は想いから生まれる
・新しい発見をするためには多くの時間や無駄が必要

<読書メーター感想>