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価値観は時代とともに変わっていく『殺人出産/村田沙耶香』

村田沙耶香さんの『殺人出産』読んで思ったことを記録しておきます。
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常識は固定的なものではない
この『殺人出産』は
・殺人出産
・トリプル
・清潔な結婚
・余命
の短編4作品を収録しています。

すべての作品に共通するのは
「生」と「死」、そして「性」について
価値観が変わった世界を描いているということです。

私たちが生きている世界でも
同じように価値観は変化し続けています。

女性の社会進出やワークライフバランス、テレワーク、LGBTなど働き方や性に関することだけでも、ひとむかし前とは比べ物にならないほど変わっているはず。

世界情勢やテクノロジーの発展により価値観は変動するということです。

身近なところで例を上げると、スマートフォンの登場なんかは分かりやすい。
昔はガラケーが主流で携帯をボタンで操作するのが当たり前でした。

iPhoneが出た当初は
「画面を触って操作するなんて使いづらい」
「指紋がついて不便」
などスマートフォンに対して否定的な意見が多かったように思います。
しかし今ではすっかりスマートフォンが当たり前になりました。

このようにどんどん価値観は変わっていきます。
そして多くの人が共通して持つ価値観が常識になっていきます。

この本を読んでいると
「常識ってなに?」
「普通ってなに?」
「人間ってなに?」
そんな哲学的な問いにたどり着きます。

結局のところ、常識は今の常識で、未来の常識は別のものになっているのでしょう。
大事なのは自分がどう思っているのか、ということ。

自分の考えさえもメディアや周りの人達が影響して変わっていくということを考えると、本当に自分だけが思っていることって何なんでしょうか?

小説を読んでこんなことを考えるのも面白い。